2026.09.23
和室の可能性を広げる「畳の種類」完全解剖!素材・構造・デザインの違いと最適解

「えっ、畳にはこんなに種類があるの?」進化する和室の魅力
「畳といえば、緑色のい草で縁取りがされたもの」というイメージを持っていませんか?実は現代の和室づくりにおいて、畳の種類は驚くほど多様化しています。「えっ、畳にはこんなに種類があるの?」と、素材のサンプルを見た多くのお客様が驚かれます。
天然のい草だけでなく、和紙や樹脂を使った最先端の素材、洋間にも馴染む豊富なカラーバリエーション、そして空間を広く見せる縁なしデザインなど、その選択肢は多岐にわたります。本記事では、畳の種類や素材の違い、それぞれのメリット・デメリットを一級技能士の視点で徹底解剖します。住まいの環境やライフスタイルに合わせた、最適な種類の見つけ方を詳しく解説していきます。
畳の種類を決定づける「3つの要素」とは?
畳の種類は、単純に一つの基準で分けられるものではありません。主に以下の「3つの要素」の組み合わせによって、無数の種類が生み出されます。
- 畳表(たたみおもて)の素材
表面を覆う素材です。伝統的な天然の「い草」、和紙を加工した「和紙畳」、耐久性に優れた「樹脂畳」が現在の主流となっています。 - デザイン(縁の有無)
畳の長手方向を保護する「縁(へり)」の有無です。伝統的な「縁あり畳」と、スッキリとしたモダンな印象を与える「縁なし畳(琉球畳)」に大別されます。 - 畳のサイズ(規格)
実は、畳のサイズは全国一律ではありません。お住まいの地域や住宅の構造(戸建てかマンションか)によって、ベースとなるサイズの種類が異なります。
これら3つの要素を理解することで、ご自宅の環境に最も適した畳の種類をスムーズに絞り込むことができます。
【素材別】い草畳・和紙畳・樹脂畳の種類とメリット・デメリット比較表
畳の種類を選ぶ際、最も重要なのが「素材」の違いを理解することです。ここでは、代表的な3つの素材である「い草」「和紙」「樹脂」の特徴と、い草畳・和紙畳の違いを詳しく解説します。まずは一目でわかる比較表をご覧ください。
| 特徴・項目 | い草畳(天然素材) | 和紙畳(機械すき和紙) | 樹脂畳(ポリプロピレン等) |
|---|---|---|---|
| 主原料 | 天然い草 | コーティングされた和紙 | 樹脂(ポリプロピレン等) |
| 耐久性・摩擦 | 一般的(経年で擦り切れ) | 高い(い草の約3倍) | 非常に高い |
| 撥水性・汚れ | 液体を吸収しやすい | 撥水加工で汚れに強い | 水拭き可能で汚れに強い |
| カビ・ダニ | 環境により発生リスクあり | 発生しにくい | 発生しにくい |
| 香り・調湿性 | い草特有の香り・調湿効果あり | ほぼなし | なし |
| 色あせ | 日焼けで飴色に変化 | 紫外線の影響を受けにくい | 紫外線の影響を受けにくい |
| カラー展開 | 天然の緑色 | 豊富(単色から多色交ぜ織りまで) | 豊富(天然に近い風合いも) |
1. い草畳(天然素材)
古くから日本の住宅で愛されてきた、い草を織り上げて作られる畳です。最大の魅力は、天然素材ならではの爽やかな香りと、室内の湿度を調節する「調湿効果」、空気を浄化する機能です。新しい頃は青々としていますが、年数が経つにつれて美しい飴色へと経年変化するのも味わいの一つです。一方で、水分を吸収しやすいため飲みこぼしに注意が必要な点や、風通しが悪いとカビやダニが発生しやすいというデメリットがあります。
2. 和紙畳(機械すき和紙)
和紙をこより状に細く巻き、樹脂コーティングを施して織り上げた現代の畳です。「い草畳と和紙畳の違い」として最も大きいのは、メンテナンス性とカラーバリエーションです。和紙畳は撥水性が高く、水分をこぼしてもサッと拭き取ることができます。ダニやカビの発生リスクも極めて低く、紫外線による色あせもほとんどありません。自然な風合いを残しつつ、お手入れの手間を省きたい方に最適な種類です。ただし、い草のような香りや調湿機能はありません。
3. 樹脂畳(ポリプロピレン等)
ポリプロピレンなどの樹脂(プラスチック系素材)に無機物を配合して作られた畳です。和紙畳以上に水や汚れに強く、水拭きや洗剤を使った拭き掃除も可能な種類があるため、衛生面を重視する環境で重宝されます。耐久性や摩擦への強さはトップクラスで、ペットの爪による引っかき傷にも強いのが特徴です。デメリットとしては、天然素材のような温かみやクッション性がやや異なり、冬場は少し冷たさを感じることがある点です。
デザイン性と実用性で分かれる種類:縁あり畳と縁なし畳(琉球畳)
素材の次に検討すべき種類が、デザインを大きく左右する「縁(へり)の有無」です。
縁あり畳の特徴とメリット
畳の長手方向に布製の縁を縫い付けた、伝統的なスタイルの畳です。縁があることで畳の角が保護され、擦り切れにくく耐久性が高まります。また、縁の柄や色を数百種類の中から選ぶことができるため、部屋の雰囲気に合わせてコーディネートを楽しむことができます。製造工程が標準化されているため、縁なし畳と比較して費用が抑えやすい点も大きなメリットです。
縁なし畳(琉球畳)のメリット・デメリットと費用
縁なし畳は、その名の通り縁を付けずにスッキリと仕上げた畳です。正方形の半畳サイズを、畳の目が互い違いになるように敷き詰める「市松敷き」にするのが一般的で、光の当たり具合によって2色に見える美しい市松模様が空間をモダンに演出します。
現在では、い草だけでなく和紙や樹脂を使った縁なし畳も総称して「琉球畳」と呼ばれることが多くなりました。(本来の琉球畳は、大分県などで栽培される「七島(しっとう)い草」を使用したものを指します)。
琉球畳のメリットは、和洋折衷のインテリアに馴染みやすく、空間が広く見えることです。リビングの一角に設ける小上がり和室などでも大人気です。
一方でデメリットは、角に縁がないため、強い衝撃や摩擦によって角の部分から傷みやすい点が挙げられます。また、縁なし畳の費用は、折り曲げ加工に高度な職人技術と手間を要するため、同ランクの縁あり畳と比較して割高になります。初期費用はかかりますが、その圧倒的なデザイン性から選ばれる方が増えている種類です。
品質で決まるい草の種類:国産畳と中国産の違い・畳表のランク
天然のい草畳を選ぶ際、必ず知っておきたいのが「産地」と「ランク(等級)」という種類分けです。同じように見える青い畳でも、その品質と寿命には驚くほどの違いがあります。
国産畳と中国産の違い
国内で流通しているい草畳の多くは、実は中国産です。しかし、一級技能士として自信を持っておすすめしたいのは「国産畳(主に熊本県産)」です。
- 国産い草のメリット: 日本の風土でじっくりと時間をかけて育てられた国産い草は、表皮が非常に厚く、内部のスポンジ状の組織(燈心)がギュッと詰まっています。そのため、弾力性があり、摩擦に対して強く長持ちします。最大の違いは退色時の美しさで、国産は数年経つとムラのない美しい黄金色(飴色)に変わります。
- 中国産い草の特徴: 生育環境や乾燥方法の違いから、表皮が薄く、早い段階で表面が剥がれたり、い草が折れたりしやすい傾向があります。日焼けすると黒ずんだ褐色になりやすいため、短期間(賃貸アパートの退去時など)での張り替えを前提とする場合に選ばれることが多い種類です。
畳表のランク(等級)の違い
国産のい草畳の中でも、さらに「ランク」によって種類が細分化されます。畳表のランクを決める主な基準は以下の3つです。
- い草の長さ: い草は根元が白く、先端が赤みを帯びており、中央部分のみが美しい緑色をしています。長いい草(130cm以上など)を使用するほど、色ムラのない中央の良質な部分だけを広く使うことができ、美しい仕上がりになります。
- 織り込まれる本数: 1枚の畳表にどれだけのい草が打ち込まれているかで、目の詰まり具合が変わります。普及品は4000本程度ですが、最高級品になると7000本以上のい草が隙間なく高密度に織り込まれ、圧倒的な耐久性と重量感を誇ります。
- 経糸(たていと)の種類: い草を織るベースとなる糸です。「綿糸」よりも丈夫な「麻糸」、さらに強度を高めた「麻綿W(麻糸と綿糸の2本使い)」があり、強い糸を使うほど多くのい草を力強く打ち込むことができます。
ランクの高い畳表は初期費用がかかりますが、10年、15年と美しく長持ちするため、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
実は地域で違う?知っておきたい「畳のサイズ」の種類
畳の種類を考える際、「サイズ(寸法)」の規格も重要な要素です。「1畳」という広さは、日本全国で同じではありません。歴史的な背景や建築様式の違いにより、主に以下の4つのサイズ種類が存在します。
- 京間(本間): 主に西日本で使われるサイズ。(約191cm × 95.5cm)。4つの中で最も大きく、ゆったりとした空間になります。
- 中京間(三六間): 愛知・岐阜・三重の東海エリアを中心に使われるサイズ。(約182cm × 91cm)。サブロクの規格とも呼ばれます。
- 江戸間(五八間): 関東地方をはじめ、全国的に広く普及しているサイズ。(約176cm × 88cm)。現代の一般的な戸建て住宅でもよく見られます。
- 団地間(公団サイズ): アパートやマンションなどの集合住宅で多く採用されるサイズ。(約170cm × 85cm)。最も小さい規格です。
お部屋の畳を張り替える際、既存の畳のサイズに合わせて製作するため、ご自身でサイズを変更することは基本的にありません。しかし、「実家の6畳より今のマンションの6畳の方が狭く感じる」というのは、この畳のサイズ種類の違いによるものです。新しい畳の種類を選ぶ際の基礎知識として覚えておくと便利です。
【ライフスタイル別】ペット・子育て・高齢者世帯におすすめの畳の種類
無数にある畳の種類から最適なものを見つけるには、ご家族のライフスタイルに焦点を当てることが一番の近道です。ここでは、目的別におすすめの畳の種類をご紹介します。
ペット(犬・猫)がいるご家庭向け:樹脂畳のおすすめ
ペットが滑りにくく、粗相をした時でもすぐにお手入れができる環境が求められます。そこでおすすめなのが「樹脂畳」です。い草に比べて非常に摩擦に強いため、犬や猫が走り回ったり爪で引っ掻いたりしても傷がつきにくく、ボロボロになりません。水拭きや薄めた中性洗剤での拭き掃除も可能なので、ニオイや汚れ対策も万全です。ペット用の特殊な滑り止め加工が施された種類も販売されています。
子育て世帯向け:和紙畳・国産い草畳のおすすめ
小さなお子様がいるご家庭では、飲みこぼしや食べこぼしによる汚れ、そしてアレルギーの原因となるダニ・カビ対策が重要です。「和紙畳」は撥水加工により液体をサッと拭き取れ、ダニ・カビの発生リスクが極めて低いため、清潔な環境を保ちやすいのが魅力です。
一方で、天然素材に触れて育ってほしい、い草の香りでリラックス効果を得たいというご家庭には、農薬を控えて安全に育てられた「高品質な国産い草畳」も強くおすすめします。
高齢者世帯向け:国産い草畳のおすすめ
ご高齢の方のお部屋には、適度な弾力とクッション性を持つ「国産い草畳(縁あり)」が適しています。万が一転倒した際も、天然い草の柔らかい空気層が衝撃を和らげてくれます。また、い草の香りは睡眠の質を向上させる効果も期待できます。つまずき防止のために、段差のないバリアフリー対応の畳床(たたみどこ)と組み合わせるのが理想的です。
失敗しないための「素材・種類選びチェックリスト」
ここまでご紹介した畳の種類を踏まえ、ご自身の要望を整理するための簡単なチェックリストを作成しました。多く当てはまる項目の素材が、あなたに最適な畳の種類です。
【A】天然素材の心地よさを重視
- 畳特有の爽やかな香りに癒されたい
- 部屋の湿度を自然に調節してほしい
- 使い込むほどに深まる飴色の変化を楽しみたい
→ おすすめの種類:高品質な「国産い草畳」
【B】デザイン性とメンテナンス性を重視
- 洋風のリビングにも合うモダンな色合いにしたい
- 飲みものをこぼしてもサッと拭き取りたい
- ダニやカビの発生をできるだけ抑えたい
→ おすすめの種類:カラー豊富な「和紙畳(琉球畳)」
【C】圧倒的な耐久性を重視
- 室内で犬や猫などのペットを飼っている
- 爪の引っかき傷や強い摩擦を避けたい
- 水拭きで徹底的に掃除をして清潔に保ちたい
→ おすすめの種類:タフで水に強い「樹脂畳」
東海エリアで豊富な畳の種類から選ぶなら株式会社美乃𠮷畳店へ
ご自宅に最適な畳の種類が見えてきたら、次は「どこに依頼するか」が重要です。愛知県春日井市を中心に、名古屋市・小牧市・瀬戸市・多治見市・可児市など東海エリアを広くカバーする「株式会社美乃𠮷畳店」は、大正5年(1916年)の創業から100年以上の歴史を持つ老舗畳店です。
熟練の一級技能士が直接対応
当店には、経験年数50年以上と30年以上の「畳製作一級技能士」が2名在籍しております。アルバイトや経験の浅いスタッフが製作に関わることは一切ありません。お客様のお部屋の用途やライフスタイル、ご予算を直接お伺いし、い草・和紙・樹脂・琉球畳など豊富な種類の中から最適な素材をご提案します。目に見えない畳床の傷み補修や隙間補修など、徹底した丁寧な下処理を行うため、数年後の耐久性に明確な違いが出ます。
業界でも珍しい「殺菌乾燥サービス」を無料提供
美乃𠮷畳店では、畳の表替えをご注文いただいたすべてのお客様に、畳専用乾燥機による「殺菌乾燥サービス」を無料で提供しています。100度の温風で畳の芯まで徹底的に乾燥させることで、ダニやカビの成虫はもちろん、卵まで完全に駆除します。薬品を一切使わないため、小さなお子様やペットがいるご家庭、アレルギーが気になる方にも安心です。この設備を導入している畳店は東海地方でもごくわずかです。
畳・襖・障子をワンストップで美しく
畳の種類を選ぶと同時に、和室全体のコーディネートを見直してみませんか?当店では畳だけでなく、襖(ふすま)や障子の張替えにも一貫して対応しています。まとめてご依頼いただくことで、家具の移動が一度で済み、お部屋全体に統一感が生まれます。
最新式のコンピューター制御機械と熟練の手仕事を融合させ、中間マージンを省いた「適正価格」と「即日対応(朝お引き上げ→午後納品)」を実現しています。お見積もりは無料ですので、フリーダイヤル(0120-12-9070)までお気軽にご相談ください。休日やお客様のご都合に合わせた訪問にも柔軟に対応いたします。
畳の種類に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 和紙畳や樹脂畳の寿命はい草畳より長いですか?
A. はい。和紙畳や樹脂畳は摩擦に強く、い草畳の約3倍の耐久性があると言われています。紫外線による色あせもほとんどないため、美しい見た目を長期間保つことができます。ただし、クッション性となる畳床(土台)の寿命は素材に関わらず同じですので、15〜20年程度での新調をおすすめします。
Q2. 縁なし畳(琉球畳)の費用が高いのはなぜですか?
A. 縁なし畳は、縁で隠れる部分がないため、畳表を裏側に鋭角に折り曲げる非常に精密な加工技術が必要です。専用の機械と職人の手作業による手間と時間が大幅にかかるため、同じ素材の縁あり畳と比較して費用が割高になります。
Q3. 中国産い草と国産い草の違いは見た目ですぐに分かりますか?
A. 新しい状態では一般の方には見分けがつきにくい場合があります。しかし、数年使用すると明確な違いが現れます。国産は表皮が厚いためささくれにくく、美しい飴色に変わりますが、中国産は表皮が薄く、黒ずんだり表面がポロポロと剥がれたりしやすくなります。当店では見本を実際にお持ちして違いをご説明します。
Q4. 床暖房の入った和室でも畳の種類は自由に選べますか?
A. 床暖房システム専用の薄くて熱伝導率の良い「床暖房用畳」を使用する必要があります。畳表の素材(い草・和紙・樹脂)はある程度お選びいただけますが、畳床の厚みや構造が通常の畳とは異なりますので、事前に床暖房対応であることをお伝えください。
Q5. 即日納品ができるのはどの種類の畳ですか?
A. 一般的な「縁あり畳(い草・和紙・樹脂など)」の表替えであれば、朝にお引き上げして夕方までに納品する即日対応が可能です。ただし、縁なし畳(琉球畳)への変更や、特殊な加工が必要な場合、または新調(新しい畳を一から作る場合)は寸法測定から納品まで数日〜1週間程度のお時間をいただいております。
まとめ:空間に合わせた畳の種類で快適な和の暮らしを
「畳」と一言でいっても、天然の温もりを持つい草、メンテナンス性に優れた和紙、耐久性を極めた樹脂、そして空間をモダンに彩る縁なし畳(琉球畳)など、その種類は多岐にわたります。国産と中国産の違いや畳表のランクといった奥深い知識も、後悔しない畳選びには欠かせません。
重要なのは、ご家族のライフスタイルやお部屋の用途に合わせて最適な種類を選ぶことです。豊富な選択肢からどれを選べばよいか迷われた際は、ぜひ専門知識を持つプロにご相談ください。正しい畳の種類を取り入れることで、あなたの和室はもっと快適で、もっと魅力的な空間へと生まれ変わるはずです。
