2026.07.29
畳の種類と素材を徹底解剖!一級技能士が教える後悔しない選び方ガイド

はじめに:「えっ、畳にはこんなに種類があるの?」目的から逆算する新しい和室づくり
「えっ、畳にはこんなに種類があるの?」
和室のリフォームや新築をご検討中のお客様に素材の見本帳をお見せすると、多くの方が驚きの声を上げられます。かつての和室といえば「天然のい草」の一択でしたが、現代では技術の進化により、多様な機能とデザインを持つ新しい種類の畳が次々と誕生しています。
豊富な選択肢があるということは、和室を「誰が」「どのように」使うかという目的に合わせて、最適な空間をカスタマイズできるということです。撥水性に優れた素材や、洋室にも馴染むモダンなデザイン、ダニやカビが発生しにくい高機能な素材など、用途から逆算する「選び方」が現代の和室づくりの鍵となります。
本記事では、100年以上の歴史を持つ老舗畳店の一級技能士が、多様化する畳の「種類」を素材や形状ごとに徹底比較します。さらに、国産と中国産の違いや、プロしか知らない等級(ランク)の見極め方、ライフスタイル別の最適な選び方まで詳しく解説します。この記事を読めば、あなたの理想の空間にぴったりの畳が必ず見つかるはずです。
失敗しないための第一歩!畳の「種類」を素材で比較する
畳の選び方において最も重要なのが「畳表(たたみおもて:表面のゴザ部分)」の素材選びです。現在、主に流通している畳表は「い草」「和紙」「樹脂」の3種類に分けられます。まずはそれぞれの特徴とメリット・デメリットを一覧表で比較してみましょう。
| 比較項目 | い草畳(天然素材) | 和紙畳(機械すき和紙) | 樹脂畳(ポリプロピレン等) |
|---|---|---|---|
| 主な特徴 | 伝統的な天然素材、香りが良い | 和紙をこより状にして樹脂加工 | 樹脂をストロー状に加工 |
| 耐久性 | △(擦り切れや日焼けあり) | ○(い草の約3倍の耐久性) | ◎(非常に高く水にも強い) |
| 調湿・空気浄化 | ◎(天然のエアコン効果) | △(調湿効果は少ない) | ×(調湿効果はなし) |
| ダニ・カビへの強さ | △(環境により発生リスクあり) | ◎(発生する養分がない) | ◎(発生する養分がない) |
| カラー展開 | ×(天然の緑から黄金色へ変化) | ◎(豊富なカラーバリエーション) | ◎(豊富なカラーバリエーション) |
| 価格帯 | 比較的安価〜最高級まで幅広い | やや高め | やや高め〜高め |
い草畳:伝統的な香りと癒やしを求める方に
古くから日本の住宅で愛されてきた天然素材です。最大のメリットは、い草特有の爽やかな香りと、室内の湿気を吸収・放出する「調湿作用」、そして空気を浄化する機能です。適度な弾力があり、素足で歩いた時の心地よさは天然素材ならではと言えます。
デメリットとしては、紫外線による日焼け(退色)や、長年の使用による摩擦で表面が擦り切れてしまう点、湿気の多い環境ではカビやダニが発生しやすい点が挙げられます。しかし、良質な国産い草であれば、使い込むほどに美しい飴色へと変化し、経年美化を楽しむことができます。
和紙畳:機能性とデザイン性を両立したい方に
機械すき和紙をこより状に細く巻き、表面を樹脂コーティングして織り上げた新しい種類の畳表です。い草畳と和紙畳の違いは、主に耐久性とメンテナンス性にあります。和紙畳は天然い草の約3倍の耐久性を持つとされ、表面の撥水加工により飲み物をこぼしてもサッと拭き取ることができます。また、ダニやカビの養分となる成分が含まれていないため、アレルギー対策としても有効です。
カラーバリエーションが豊富で、洋風のインテリアにも合わせやすいのが魅力ですが、天然のい草が持つ香りや調湿機能はありません。
樹脂畳:圧倒的な耐久性と清潔さを保ちたい方に
ポリプロピレンなどの樹脂素材をストロー状に加工し、畳表として織り上げたものです。和紙畳以上に水や汚れに強く、水拭きや薄めた中性洗剤での拭き掃除が可能なため、常に清潔な状態を保つことができます。色あせがほとんどなく、長期間美しい状態を維持できるのが最大のメリットです。
一方で、夏場は少し熱を持ちやすく、冬場は冷たく感じることがあるため、足元の感触はい草に劣る場合があります。
形状の種類で空間を演出!「縁あり畳」と「縁なし畳(琉球畳)」の選び方
素材の種類だけでなく、畳には「縁(へり)の有無」という形状の違いもあります。お部屋の印象を大きく左右するため、デザイン性と機能性の両面から選び方を検討しましょう。
縁あり畳:耐久性が高く引き締まった空間に
長方形の畳の長手方向に、布製の「縁(へり)」が縫い付けられている伝統的な種類です。
- メリット:縁が畳の角(角の摩擦が起きやすい部分)を保護するため、耐久性が非常に高くなります。また、縁の柄や色を数百種類の中から選ぶことができ、部屋の雰囲気に合わせてコーディネートを楽しむことができます。加工が標準的なため、費用も抑えられます。
- デメリット:部屋全体に境界線ができるため、空間が少し狭く感じられる場合があります。
縁なし畳(琉球畳):モダンで開放的な洋空間にもマッチ
縁を使用せず、畳表を裏側に折り曲げて仕上げる種類です。近年は正方形(半畳サイズ)のものを市松模様に敷き詰めるスタイルが人気で、一般的に「琉球畳風」と呼ばれます。
- 琉球畳のメリット:縁がないため視界を遮る線がなく、部屋全体が広くスッキリと見えます。和紙畳や樹脂畳のカラーバリエーションと組み合わせることで、リビングの一角や洋間にも違和感なく溶け込むモダンな和空間を演出できます。
- 琉球畳のデメリット(縁なし畳の費用について):畳の角を鋭角にきれいに折り曲げるには、職人の高度な技術と手間が必要です。また、角を保護する縁がないため、長期間使用すると角から擦り切れやすくなるという耐久性の懸念があります。製造工程の手間と専用の特殊な畳床を使用することが多いことから、一般的な縁あり畳に比べて費用が割高(約1.5倍〜2倍程度)になる傾向があります。
一級技能士が明かす真実。い草畳の「種類(ランク)」と「国産・中国産の違い」
い草畳を選ぶ際、お客様から最も多く寄せられる疑問が「価格の違いは何によるものか?」という点です。ここでは、国産畳と中国産の違い、そして畳表のランク(等級)が決まる基準について、一級技能士の視点で詳しく解説します。
国産畳と中国産の違い
現在、日本国内で流通しているい草畳表の多くは中国産であり、純国産(主に熊本県産)は貴重な存在となっています。
中国産い草の特徴
成長促進剤などを使用し、短期間で一気に育てて収穫されることが多い傾向にあります。そのため、い草の表皮が薄く、中身のスポンジ状の組織(燈心)の密度が低くなりがちです。価格が安く導入しやすいのが最大のメリットですが、使用しているうちに表皮がむけやすく、衣服に細かいクズがつく原因になることがあります。
国産い草の特徴
日本の四季の中で、寒暖差に耐えながら農家の方々がじっくりと時間をかけて育て上げます。そのため表皮が厚く、中身がしっかりと詰まっており、優れた弾力性と耐久性を誇ります。新品時の青々とした美しさだけでなく、数年経って退色した際にも、黒ずむことなく美しい黄金色(飴色)に変わっていくのが国産ならではの魅力です。
畳表のランク(等級)を決める3つの基準
同じ国産であっても、畳表には数千円から数万円まで幅広い価格帯が存在します。畳表のランクの違いは、以下の3つの要素で決まります。
1. い草の長さ(草丈)
い草は根元が白く、先端が赤茶色をしており、中央部分が最も太く色合いが美しい緑色をしています。い草の草丈が長い(130cm以上など)ほど、この高品質な中央部分だけを贅沢に切り取って畳幅に織り上げることができます。短い草を使用すると、端の方に根元の白い部分や先端の色ムラが入り込んでしまいます。
2. 打ち込み本数(い草の密度)
1枚の畳表にどれだけの本数のい草が織り込まれているかも重要なランク基準です。安価なものは約4,000本程度ですが、高級品になると6,000本〜7,000本ものい草が隙間なく緻密に打ち込まれます。本数が多いほど目が詰まり、厚みと重量感が出て、擦り切れに対する耐久性が飛躍的に向上します。
3. 経糸(たていと)の種類
い草を織り上げるための芯となる「経糸」の素材によってもランクが変わります。一般的には「綿糸」が使われますが、高級品には太くて丈夫な「麻糸」や、麻と綿を二重にした「麻綿W(ダブル)」が使用されます。経糸が頑丈であればあるほど、より多くのい草を強く引き締めて織り込むことが可能になり、山のくっきりとした美しい畳表に仕上がります。
部屋の広さや地域で変わる。畳の「サイズ」の種類と基礎知識
畳の選び方で見落としがちなのが「サイズの種類」です。実は、日本の畳は全国共通のサイズではありません。お住まいの地域や建物の構造によって、基準となる1枚の大きさが異なります。
- 京間・本間(きょうま・ほんま):約95.5cm × 191cm。主に関西から西日本で使われる伝統的なサイズで、最も大きいです。
- 中京間・三六間(ちゅうきょうま・さぶろくま):約91cm × 182cm。愛知県や岐阜県、三重県など東海エリアを中心に広く普及しているサイズです。
- 江戸間・五八間(えどま・ごはちま):約88cm × 176cm。関東地方や東日本を中心に使用されるサイズです。京間と比べると一回り小さくなります。
- 団地間・五六間(だんちま・ごろくま):約85cm × 170cm。公団住宅やアパート、マンションなどで多く採用されている最も小さなサイズです。
「6畳用」のラグなどを購入する際、ご自宅の畳のサイズ種類を把握していないと寸足らずになったり余ってしまったりすることがあります。また、実際の畳工事においては、部屋のわずかな歪みに合わせて1枚1枚ミリ単位で採寸し、オーダーメイドで製作するため、完全に同じサイズの畳は存在しません。
【ライフスタイル別】あなたに最適な畳の「種類」と「選び方」
ここまで解説してきた素材や形状の特徴を踏まえ、読者の皆様のライフスタイルに合わせた最適な畳の選び方をご提案します。
ペット(犬・猫)がいるご家庭:樹脂畳がおすすめ
ペットと暮らすお部屋には「樹脂畳」が最もおすすめです。犬や猫の爪による引っかき傷に対して非常に強く、表面がボロボロになりにくいのが特徴です。また、万が一粗相をしてしまったり、嘔吐してしまったりした場合でも、樹脂素材であれば水拭きで完全に汚れを拭き取ることができ、臭いも染み込みません。フローリングのように滑りやすくないため、ペットの足腰への負担(脱臼などのケガ)を軽減する効果も期待できます。
小さなお子様がいる子育て世帯:和紙畳がおすすめ
赤ちゃんや小さなお子様がハイハイしたり、おもちゃで遊んだりする部屋には「和紙畳」が適しています。ジュースの飲みこぼしや食べこぼしがあっても、撥水加工によりサッと拭き取れます。さらに、ダニやカビが発生しにくい素材であるため、アレルギーやハウスダストが気になるご家庭でも安心して寝転がらせることができます。パステルカラーなど明るい色を選べば、子供部屋らしいポップな空間に仕上がります。
高齢者のいるご家庭・寝室:高品質な国産い草畳がおすすめ
ご年配の方の寝室や、くつろぎを重視する客間には、やはり「国産のい草畳」が最適です。い草の内部にあるスポンジ状の組織が空気をたっぷり含んでいるため、クッション性が高く、万が一転倒した際の衝撃を和らげてくれます。また、い草の香り成分(フィトンチッドなど)には森林浴と同じようなリラックス効果があり、安眠をサポートしてくれます。冬場でも床からの冷気を遮断し、足元を温かく保つ天然の断熱効果も魅力です。
迷わず決める!後悔しない「畳の選び方チェックリスト」
多くの種類から迷わず最適な素材を選ぶために、以下のチェックリストを活用してご自身の希望を整理してみてください。
- 誰がメインで使う部屋か?(例:子供、ペット、高齢者、来客のみ)
- 部屋の用途は何か?(例:寝室、子供の遊び場、茶室、リビングの延長)
- お手入れの手間をどの程度許容できるか?(例:こまめに掃除できる、メンテナンスフリーが良い)
- アレルギーへの懸念はあるか?(例:ダニ・カビ対策を最優先したい)
- デザインの方向性は?(例:純和風の落ち着き、洋風のモダンな空間)
- 予算の優先順位は?(例:初期費用を抑えたい、長く使えるなら高価でも良い)
これらを事前に書き出しておくことで、畳店への相談がスムーズになり、後悔のない選択ができるようになります。
東海エリアで豊富な畳の種類から選ぶなら「株式会社美乃𠮷畳店」へ
ご自宅に最適な畳の種類や選び方が見えてきたら、次は「どこに頼むか」が重要になります。愛知県春日井市に店舗を構える株式会社美乃𠮷畳店は、大正5年(1916年)の創業以来、100年以上にわたり四代にわたって確かな技術を継承してきた老舗畳店です。
一級技能士が直接対応、提案から施工まで一貫体制
当店には、経験年数50年以上と30年以上の「畳製作一級技能士」が2名在籍しております。下請け業者や素人が作業に関わることは一切なく、見積もりから畳の採寸、最新コンピューター制御機械と手仕事を融合させた製作、そして納品まで、すべてを熟練の職人が責任を持って担当いたします。ご自宅の環境やお客様のライフスタイルを直接伺い、豊富な見本の中から最適な素材をご提案します。
無料の「殺菌乾燥サービス」で衛生面も安心
美乃𠮷畳店の最大の強みの一つが、畳の表替えをご依頼いただいたすべてのお客様に無料で提供している「畳専用乾燥機による殺菌乾燥サービス」です。東海地方でも導入している店舗はごくわずかというこの設備は、100度の温風で畳の芯まで熱処理を行います。天日干しでは表面に逃げてしまうダニやカビの成虫・卵を、薬品を一切使わずに完全に死滅させることができます。特にアレルギーが気になる方や、古い畳床(芯材)をそのまま再利用したい方に大変ご好評をいただいています。
畳・襖・障子のトータルコーディネート
畳だけでなく、襖(ふすま)や障子の張替えにもワンストップで対応しております。和室全体を一度にご依頼いただくことで、家具の移動などの負担が1回で済み、お部屋全体のデザインに統一感を持たせることが可能です。
春日井市をはじめ、名古屋市、小牧市、瀬戸市、多治見市、可児市など東海エリアを広くカバーしており、朝お引き上げして夕方には納品する「即日対応」も可能です。高品質を適正価格でお届けする美乃𠮷畳店へ、ぜひお気軽にご相談ください。
畳の種類と選び方に関するよくあるご質問(FAQ)
ここでは、畳の種類や素材選びに関してよくお客様からいただくご質問にお答えします。
Q1. 畳の表替え(表面の張り替え)の目安時期は何年ですか?
天然のい草畳の場合、使用状況にもよりますが約5年〜7年が「裏返し(現在ついている畳表を裏返して再利用する作業)」の目安、約10年〜15年が「表替え(新しい畳表に張り替える作業)」の目安です。和紙畳や樹脂畳の場合は耐久性が高いため、15年〜20年程度美しい状態を保つこともあります。
Q2. 縁なし畳(琉球畳)にしたいのですが、どの種類を選べばいいですか?
縁なし畳は角の耐久性が求められるため、摩擦に強い「和紙畳」や「樹脂畳」を選ぶ方が大半です。カラーバリエーションも豊富なので、市松敷きにした際のコントラストが美しく仕上がります。天然い草をご希望の場合は、通常のい草ではなく、非常に丈夫な「七島い草(しっとういぐさ)」を使用することが一般的です。
Q3. 中国産い草と国産い草で、見た目に違いはありますか?
張り替えた直後の青々とした状態では、一般の方には見分けがつきにくいかもしれません。しかし、数年経過して退色が進むと明確な違いが出ます。中国産は黒っぽくくすんだ色になりやすいのに対し、良質な国産い草は艶のある美しい黄金色へと変化していきます。
Q4. ペットがいるので樹脂畳にしたいのですが、畳床(芯材)ごと交換する必要がありますか?
既存の畳床が極端にへこんでいたり、湿気で腐食していなければ、表面のゴザ(畳表)だけを樹脂素材に張り替える「表替え」が可能です。美乃𠮷畳店では無料の殺菌乾燥サービスを行うため、古い畳床でもダニやカビをリセットして清潔な状態で再利用していただけます。
Q5. 見積もりに来てもらう際、部屋の荷物はそのままで大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。お見積もりの段階では、畳のサイズや枚数、種類のご提案が中心となりますので、大きな家具はそのままで問題ありません。実際の施工(引き上げ日)の際にも、専用の家具すべり等を使用して当店スタッフが慎重に家具を移動させますので、お客様ご自身で重い荷物を運び出していただく必要はございません。
まとめ:用途に合わせた種類を選び、理想の和室を叶えよう
現代の畳には、伝統的ない草から、機能性に優れた和紙畳、耐久性抜群の樹脂畳まで、驚くほど多彩な種類が存在します。また、縁の有無や素材のランク、サイズの違いなど、選択肢の幅は大きく広がっています。
和室の素材選びで失敗しないためのコツは、ご自身のライフスタイルと照らし合わせ、「その部屋でどのように過ごしたいか」という目的から逆算して選ぶことです。本記事でご紹介した各素材のメリット・デメリットや選び方チェックリストを参考に、ぜひあなたにとって最適な畳を見つけてください。信頼できる畳店と二人三脚で、心地よく快適な和の空間を実現しましょう。
